鳴子のこけし
ハリボテこけし
今やこけし祭りには欠かせない「ハリボテこけし」。
「ハリボテこけし」が、夜の鳴子の町を練り歩くパレードは、
こけしが好きな人も、そうでない人も、見る人すべてを虜にします。
※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
その始まりは、「こけし祭り」第1回目の昭和23年から。
「こけし祭り」に欠かせなかったハリボテこけしは、ずっと手づくり。
ところが私たちが作るのは不恰好でやたら重くてかぶりにくいんですよ。41年のことでしたか、こけしの現物から正確な比率をとり、
古川のカゴヤに頼んで作ったことがあります。
大変りっぱで、しかも軽くて被りやすい6本のこけしができて、
祭りで活躍しました。 (岡崎斉司さんのお話より)
戦後の食べることに精一杯な時代から始まった「ハリボテこけし」。
試行錯誤しながらも、町の人たちや、こけしを愛好する人たち、
鳴子に来る人たちを、単純に「楽しませたい」という気持ちが伝わってきます。
※写真:全国こけし祭り第四十回開催記念誌より引用
【 今よりも高さがあって、スタイルが良い「ハリボテこけし」。
沿道には人がたくさん集まっています。】
何より「こけし祭り」に向けて作っている、
こけし工人たちの楽しそうな姿が目に浮かぶようで、
これが今でも「ハリボテこけし」がたくさんの人を惹きつける
理由なのかも知れないと思いました。
( 文: 児玉紗也加 )